こんにちは、スポーツメンタルコーチの大迫です。
今回はモチベーションに関するお話。
皆さんは自身の競技や仕事に対するモチベーションをどのようにマネジメントしていますか?
モチベーションの浮き沈みの激しい人、逆に高い水準で安定している人、状態関係なく行動し続けられる人、長期間持続する人やしない人など、色々なタイプがあります。
どのような状態で練習や仕事に臨めると高いパフォーマンスを長期に渡って発揮できるでしょうか?
今回はモチベーションマネジメントに関連して、“アンダーマイニング効果”を紹介します。
できる限り学問的にならないよう説明しますのでぜひ最後までご覧ください。
プロフィール
スポーツメンタルコーチ 大迫 慎太郎
スポーツメンタルコーチングAthLead.(アスリード)代表
MCS-JAPAN認定メンタルコーチ
JPDAドラコンプロ
学生時代は野球(大学硬式野球部出身)、その後ゴルフに転向し紆余曲折を経てプロの世界へ。プレーヤーとして複数競技の現場を知るメンタルコーチとしてアスリート、アスリートを支える指導者、ご家族の方、ビジネスパーソンをサポート中。アメリカ ロサンゼルスで世界のゴルフを学んだ経験を元に、帰国後はスコアアップに特化したゴルフレッスンも実施中。ベストスコア68。
アンダーマイニング効果とは?
アンダーマイニング効果とは、もともと”〜できるようになりたい”、”〜することが楽しい”といった自分の内側から湧き上がる動機によって高いモチベーションを作り上げることができていたものが、
達成したご褒美や報酬(賞金やサービス対価や他人からの評価)、時にはノルマや罰が与えられることによって、報酬を得る(罰を回避する)ことが目的にすり替わってしまい、本来の内発的な動機が失われてしまうことです。
例えば趣味が高じて仕事になった場合、もともと持っていた取り組む楽しさが失われてしまうといった現象もこのアンダーマイニング効果によって引き起こされるものです。
モチベーションに繋がる動機付け
そもそもモチベーションとは、当人に行動を起こさせて目標に向かわせる心理的な過程のことを指します。
競技や仕事に対する取り組みは、内発的動機付けによるものか外発的動機付けによるものかでモチベーションの高さも持続度も大きく変わります。
内発的動機付け
内発的動機付けとは、興味や探求心、達成感や満足感など、自分の内面から湧き上がる動機のことです。
“もっと上手くなりたい”
“〜ができるようになりたい”
競技を始めたばかりの頃、誰しもこのようなマインドで日々の練習に取り組めていたのではないでしょうか。
一言でいうと時間を忘れて夢中で行動できる状態。
自分の内側から作るモチベーションはより高く、より持続力のあるものになっていきます。
外発的動機付け
一方で外発的動機とは、お金や物などの報酬や、他人からの評価や罰など、外からの干渉によって生じるモチベーションの動機です。
初めは自分の探究心や達成感のために高いモチベーションで活動できていたことでも、一度報酬を得る経験をすることで以後報酬がなければモチベーションを維持することができなくなります。
アンダーマイニング効果がもたらす悪影響
例えば趣味として映画鑑賞の感想を発信することを楽しんでいた人が、その趣味が高じて発信することが仕事に変わったとします。
仕事なのでもちろん発信による対価が発生します。
その自分の発信により報酬を受け取る経験をすることによって、以後は対価が得られなければ発信を続けることが億劫になり始めます。
これがアンダーマイニング効果です。
一般的によく言われる、いわゆる”自分へのご褒美”もそうです。
一度何かを達成したご褒美のというものを味わうことで次回以降はご褒美を得るために頑張るという、自分が活動する理由が変わってしまうということが多々起こります。
これ自体が絶対的な悪ということではありませんが、内発的動機付けと比べて外発的動機付けは、モチベーションが持続しないことが問題です。
“ご褒美”でいうと、“試合で◯位以内に入れば賞金や副賞がもらえる”という状況は高いレベルを目指す人であれば経験することがあるかと思います。
自分がその圏内にいると頑張ることができますが、圏外に脱落してしまった途端急激にパフォーマンスが落ちるというのもこのアンダーマイニング効果が関係しています。
モチベーションを持続させるには外発的動機を上回る内発的動機をどれだけ持つことができているかが非常に大切になってきます。
長期に渡ってモチベーションを持続させる方法
ではどんな状況でもパフォーマンスを高い水準で安定させるにはどうすればいいでしょうか?
僕がコーチングする上で最も大切にしているのがキャリア全体(セカンドキャリアも含む)を見つめたビジョン・目標の設定です。
僕が選手をサポートするにあたってよくする質問があります。
“あなたは何で競技をしているのですか?”
“あなたは何で優勝したい(プロになりたい)のですか?”
“全てを手に入れ人生における金欲、物欲を全て満たした後、あなたはどんな活動をしますか?”
“あなたは選手としてのキャリアを終えた後、どんな人になりたいですか?”
皆さんは答えられましたか?
将来のビジョンをどこまで描けているかが内発的動機にも繋がります。
このあたりの“自分自身のあり方”が最高に整ってくると自分の中でモチベーションという概念がなくなり、どんな状況下でも高いレベルで活動できるようになってきます。
ぜひ一度ご自身の活動を振り返ってみてください。
AthLead.ではトップレベルのアスリートを目指すみなさんに対して、
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それではまた。