こんにちは、スポーツメンタルコーチの大迫です。
日々メンタルコーチとして多くのアスリートにコーチングする中で、初めて相談を受ける際にこういった質問を頂くことがすごく多いです。
- メンタルトレーニングを取り入れたいけどやり方がわからない
- どうすればメンタルって強くなる?
- 独学で取り組もうと思い本で勉強したけど学問的なものが多く現場で使える気がしない
重要性はわかっているけど肝心の取り組み方がわからず、結局手付かずのままといったケースが非常に多いように感じました。
今回はメンタル強化に取り組みたい、もしくはこれから取り組もうと考えている人に向けて入り口の部分でもある
“プレーヤーのメンタルを構成する12のポイント”
をご紹介します。
プロフィール
スポーツメンタルコーチ 大迫 慎太郎
スポーツメンタルコーチングAthLead.(アスリード)代表
MCS-JAPAN認定メンタルコーチ
JPDAドラコンプロ
学生時代は野球(大学硬式野球部出身)、その後ゴルフに転向し紆余曲折を経てプロの世界へ。プレーヤーとして複数競技の現場を知るメンタルコーチとしてアスリート、アスリートを支える指導者、ご家族の方、ビジネスパーソンをサポート中。アメリカ ロサンゼルスで世界のゴルフを学んだ経験を元に、帰国後はスコアアップに特化したゴルフレッスンも実施中。ベストスコア68。
例えば、”野球が上手くなりたい”という人がいたとします。
一言で野球が上手くなりたいといっても、ピッチング、バッティング、守備、走塁と取り組むことはたくさんありますよね?
フィジカルも同じで、一言で”フィジカルを強化したい”といっても上半身、下半身、インナーマッスル、アウターマッスル、柔軟性など取り組むことはたくさんありますよね?
メンタルも同じです。
メンタルを構成している要素はたくさんあります。
その構成要素の中で自分の強みとなる部分、課題となる部分を知ることから始めるとトレーニングの取り組み方がわかりやすくなりますし、その効果をより実感できます。
今回はその中から12のポイントを解説します。
セルフトーク
一言でいうと自己対話のことで、多い人で無意識に一日6万回セルフトークを行っていると言われています。
身近なところでいうとスポーツ中継などを見ていてプレー直前に選手が何かブツブツ呟いているのを見かけたことがある人も多いはずです。
このようにいわゆる独り言もセルフトークの一種で、世界の一流プレーヤーの中には試合中にこのセルフトークを使ってセルフメンタルコントロールしている選手も大勢います。
感情コントロール
一般的にメンタルトレーニングの代名詞のように認識されることが多いのがこの感情コントロールです。
スポーツにおいてはプレッシャー環境下での不安やイライラ、嬉しさ、ワクワクなどの感情をどの程度自らコントロールできているかというところがポイントになります。
目標設定
一般的に蔑ろにされがちですが、メンタルの構成ポイントの重要度の中でもかなり上位に位置付けられるのがこの目標設定です。(僕としては最も大切なポイントと位置付けています。)
プレーヤーが最高のパフォーマンスを発揮するためには”心技体”がバランスよく備わっていることが必要ですが、大前提として目標地点が決まらなければそこに到達するために必要な”心技体”が明確になりません。
目の前の練習やトレーニングの質、試合で力を発揮するために適切な目標を定められているかといったところがレベルアップに向けて非常に重要なポイントとなります。
あなたは”目標”と”ビジョン”の違いについて説明することができますか?
この質問に答えられるかどうかを目標設定の現状の自己採点の一つとして使って頂ければと思います。
自己分析
自分の心技体の状態や目標達成に向けて活動する中でクリアできている部分、できていない部分、自分の日常生活についてどの程度把握できているかというところがこの自己分析です。
現状の自分のプレーの傾向、強み、課題が今後自分がプレーしたいステージの選手のスタッツや成績と比べてどうなのか、現状から何が上積みされると戦えそうなのかといった部分を明確にできているかがポイントです。
ゲームプラン
自己分析や自分のプレースタイルを理解した上で、次の試合についてどのようなプランで試合運びをするか、どんな勝負をするかを事前に明確にし、試合でやり切るための準備できているかというところがこのゲームプランです。
プレーする上で“想定外のことを想定できているか”といった部分がポイントです。
イメージ
練習、トレーニングの段階から試合での自分の動きを主観的かつ客観的に、周りの動きをどの程度鮮明に描けているかというところがこのイメージです。
人間の脳の仕組みとして、頭でイメージできている範囲でしか動くことができないというものがあります。
プレーのレベルを引き上げるためには先にイメージ力のレベルを上げておく必要があります。
リラクゼーション
ベストパフォーマンスを発揮するためには適度な緊張感と適度なリラックス状態が共存していることが望ましいですが、大舞台になればなるほど、試合直前や試合中のプレッシャー、不安等により過剰な緊張状態に陥る傾向があります。そういった中で自らリラックス状態を作り落ち着かせることができるかというところがこのリラクゼーションです。
一流プレーヤーはこのリラクゼーションスキルが非常に優れていると言われています。
モチベーション
長期的目標に向けてのトレーニングや、オフシーズンやケガ等で実戦から離れる時期やスランプに陥っても、活動の質を落とさない方法を知っていて、且つ実践できているかというところがこのモチベーションです。
最終的には自身の中でモチベーションという概念を無くすことができれば、より高い水準で”心技体”のレベルを引き上げることができます。
セルフイメージ
“自分ならできる”と心の底から思うことができているか、自分が描く将来の姿を明確に想像することができるかというところがこのセルフイメージです。
“自分なら優勝できる”と思えているようでも本音レベルでは”ベスト8くらい”といったようにどこかでストッパーが働き行動を制限してしまうものですが、この部分が整ってくると技術的スキル面でも”優勝する選手”にふさわしい能力が備わってくるとされています。
実力発揮(ゾーン)
練習と試合でのパフォーマンス差がどの程度か把握できているか、その差を埋めるための取り組みがどのくらいできているかというところがこの実力発揮(ゾーン)です。
スポーツに興味のある人なら誰しも”ゾーン”という言葉は聞いたことがあるかと思いますが、これは脳が発している脳波が深く関係しています。
意図的に”ゾーン”に入ることはほとんど不可能なことですが、”ゾーンに近い場所”にはトレーニングによってアプローチすることはできます。
その状態でプレーする習慣をつけることで”ゾーン”に入る感覚を掴むといったイメージです。
AthLead.では、フォーカスバンドというデバイスを使ったゾーンにアプローチするためのフォーカストレーニングを提供しています。
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セルフマネジメント
自分の目標達成やキャリアの最終地点までの道のり、さらにいうとセカンドキャリアまでを計画し実行できているか、自分に降りかかるストレスやプレッシャーに対する排除の仕方を知っていて、整った生活が送れているかというところがこのセルフマネジメントです。
チーム競技ももちろんですが、特に個人競技の選手に強く求められるポイントです。
集中力
集中するためのルーティンや自分なりの方法をどの程度作れているか、根性論での集中ではなく、”本当の意味”での集中状態を知っているかというところがこの集中力です。
この”本当の意味での集中状態”も上で紹介したように脳の仕組みが関係していて、フォーカスバンドを使ってトレーニングすることで作り出すことができます。
ちなみに僕自身もこのフォーカスバンドを使ってトレーニングしていますが、初めて使った時にそれまで長年自分が集中していると思っていた状態が本当の集中状態からズレた場所だと知りました。
実際にトレーニングしていく中で1〜5mの距離のパッティングの成功率が飛躍的に上がりました。
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以上がプレーヤーのメンタルを構成する12のポイントです。
これからメンタル面へのアプローチを考えている人の参考になれば嬉しく思います。
またAthLead.のメンタルコーチングではまず今回ご紹介したポイントを数値化することで明確にし、課題をカバーしながら強みを伸ばすコーチングを行っており、定期的にチェックすることで選手としてのレベルアップ、キャリアアップを目指します。
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